中国語の試験
日本で受験可能な中国語の試験はいくつかあります。自分の中国語の実力を測れるだけでなく、進学・留学・就職などに有利に働くこともあり、中国語学習者には是非受験をおすすめします。
全国通訳案内士試験 | |
URL | https://www.jnto.go.jp/jpn/… |
種別 | 公的試験(国家試験) |
知名度 | ★★★(高い) |
難易度 | ★★★(高い) |
受験日 | 年1回 |
概要 | 独立行政法人国際観光振興機構(日本政府観光局)が試験事務を代行する観光庁主管の国家試験で、かつ語学関連の唯一の国家資格。もともと「通訳案内士」という資格の試験であったが、法改正等を受けて「全国通訳案内士」となった(相対的に無資格でも有償でガイドできる地域通訳案内士の制度もある)。中国語以外に英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語の外国語試験がある。 |
繁体字の使用可否 | 中国語は繁体字と簡体字から選択可能。ただし台北では繁体字のみ使用可能。 |
長所 | 合格者は報酬を得て訪日外国人旅行客にガイドを行うことができる。 |
短所 | 日本国外での受験地は台湾(中国語繁体字限定)と韓国(外国語試験は韓国語限定)のみ。 |
HSK(漢語水平考試) | |
URL | http://www.hskj.jp/ |
種別 | 公的試験(中國教育部孔子學院總部/國家漢辦認定試験) |
知名度 | ★★★(高い) |
難易度 | ★★☆(レベルによってさまざま) |
受験日 | ほぼ毎月(ただし受験地はその時々によって変わる) |
概要 | 中国政府の認定試験であり、世界118か国以上で実施され、中国語の試験としては世界的に圧倒的知名度を誇る。 レベルは初級レベルの1級から上級レベルの6級まで6段階に分類されている。 CERF(ヨーロッパ言語共通参照枠)準拠の試験となっており、TOEICなどのように世界ランクでの中国語レベルがわかる設計となっている |
繁体字の使用可否 | 繁体字は使用しても問題ないが、設問ごとに統一する必要がある。 |
長所 | ①外国人来華就業許可制度(2017年から開始した、就業許可の取得要件にポイント制を導入した就労許可制度)でのランク付け基準に利用可能。 ②東京大学の推薦入試学生募集要項の外国語に関する語学力の証明書として使用可能。 ③中国の多くの大学で4級であれば理系学部に、5級であれば文系学部に入学に語学力の証明に利用可能。北京大学など一部の大学では6級が必要となる。 ④ネット試験も受験可能。 |
短所 | 台湾では受験できない。 |
中国語検定 | |
URL | http://www.chuken.gr.jp/ |
種別 | 民間試験(一般財団法人日本中国語検定協会) |
知名度 | ★★☆(HSKより知名度は低いが、中国語関係者には級によってはHSKより難しくより高い実力の指標とされている) |
難易度 | ★★★(レベルによってさまざまだが、1級は難易度が高い) |
受験日 | 年3回(6月、11月、3月の第4日曜日。ただし、1級は年1回11月のみ) |
概要 | HSKの次に受験者数の多いとされる中国語試験で、HSKの「読む」「書く」「聞く」「話す」の能力以外に「翻訳する」能力も重視している。 レベルは「準4級」「4級」「3級」「2級」「準1級」「1級」の6段階が設定されている。 中でも1級はHSK6級よりも難しいとされ、1次筆記試験のほかに2次面接試験もある。 |
繁体字の使用可否 | 簡体字の使用を原則とし、2級以上は繁体字の使用可。ただし、字体の混用は不可。 |
長所 | ①大学によっては取得級により単位の取得が可能。 ②台湾でも受験可能(この他に中国以外での海外受験地はシンガポールのみ)。 ③1級合格者には通訳案内士試験の外国語試験が免除される。 |
短所 | 日本・中国・台湾・シンガポール以外の国・地域では受験できない。 |
華語文能力測驗(TOCFL) | |
URL | http://tocfl.tecc.jpn.com/ |
種別 | 公的試験(台湾・國家華語測驗推動工作委員會) |
知名度 | ★☆☆(あまり知られていない) |
難易度 | ★★★(レベルによってさまざまだが、精通級は中国語検定試験1級相当の難易度) |
受験日 | 年4回程度 |
概要 | 台湾において「台湾奨学金」を申請する為の参考基準、外国人留学生を募集している台湾の大学・専門学校等においての中国語能力の参考基準、就職活動をする際の中国語能力の証明などとして活用されている。現在台湾国内の多くの専門学校・大学・大学院がTOCFLを入学申請条件、あるいは中国語能力の参考基準としており、多くの企業、法人も台湾駐在決定の参考基準としている。 CEFRに準拠した準備級(Pre-A1)・入門級(A1)・基礎級(A2)・進階級(B1)・高階級(B2)・流利級(C1)・精通級(C2)の7段階のレベルがある。 |
繁体字の使用可否 | 繁体字のみの試験となり、簡体字は使用不可。 |
長所 | 台湾本土のみならず日本をはじめとして海外でも受験可能。 |
短所 | 日本においては知名度が低い(ただし、無論台湾においては外国人の中国語能力試験としてスタンダードである)。 |
中国語コミュニケーション能力検定(TECC) | |
URL | http://www.tecc.jpn.com/ |
種別 | 民間試験(株式会社ハオ中国語アカデミー) |
知名度 | ★★☆(HSKほどの知名度はないが、知っている人は知っている) |
難易度 | ★★★(レベルによってさまざまだが、スコア1000点満点中900点以上が中国語検定試験1級に相当するとされる) |
受験日 | 年2回 |
概要 | 「中国語によるコミュニケーション能力を測定する」の趣旨で34社の企業が協賛し設立された。 |
繁体字の使用可否 | 不明 |
長所 | 台湾でも受験が可能。 |
短所 | 中国本土では受験ができない。 |
実用中国語レベル認定試験(C.TEST) | |
URL | https://www.c-test.jp/ |
種別 | 公的試験(北京語言大学漢語試験研究センター) |
知名度 | ★☆☆(低い) |
難易度 | ★★☆(1000時間以上の学習者の場合、グレードA・Bが難易度が高い) |
受験日 | 年3回程度 |
概要 | 北京語言大学漢語試験研究センターが開発した試験で、留学以外の目的で中国語学習者のために実践的な中国語能力を測定する試験として実施されている。公称では「TOEFL=HSK、TOEIC=C.TEST」とのこと。「会話試験」と「筆記試験」の2種類がある。かつ、筆記試験は「ADレベル試験(学習時間が1000時間以上が対象)」と「Gレベル試験(学習時間が150時間以上が対象)」の2種類がある。 |
繁体字の使用可否 | 不明 |
長所 | 合否判定をするのではなく、公称通りTOEICのように点数によって5段階(A・B・C・D・認定なしの5段階に分けて評価)で評価するので非常にリーズナブルである。 |
短所 | ①台湾では受験できない。 ②知名度が低い。 |
実用中国語技能検定試験 | |
URL | https://www.chuken.org/ |
種別 | 民間試験(一般財団法人アジア国際交流奨学財団) |
知名度 | ★☆☆(低い) |
難易度 | ★★★(レベルによってさまざまだが、1級はHSK6級に相当) |
受験日 | 年3回程度 |
概要 | 日中両国の友好親善の推進事業を行っている一般財団法人アジア国際交流奨学財団が実施する試験。日中翻訳という視点ではなく、特色の一つは、翻訳する能力・その他の能力も外国語を外国語として認識するとのこと。 |
繁体字の使用可否 | 不明 |
長所 | HSKをモチーフにしたレベル分けなので、HSKの試験対策が活きる。 |
短所 | ①試験会場が「東京」「名古屋」「京都」「大阪」しかない。 ②「中国語の検定試験である以上、入門段階の5級にも日本語での問いかけは使用しない」と公式サイトで歌っているように設問が日本語ではなく、中国語で行われる。 ③台湾では受験できない。 |
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