中国のことば
中国大陸の共通語は中国語(いわゆる北京語)で、この北京語を含めて中国には7種類に大別できる「方言」があり、これを七大方言と呼びます。
北京周辺で話される華北方言(中国語=北京語)のほか、太原(山西省)周辺の西北官話、成都(四川省)周辺の西南官話、南京(江蘇省)周辺の江淮官話の4つにに分類できる。 | ||
広東省、広西チワン族自治区、香港、マカオ、在外華僑などの間で話されている。 | ||
上海市、浙江省、江蘇省南部、安徽省、江西省、福建省の一部で話されている。 | ||
江西省中部・北部、湖南省東南部、福建省西北部および安徽省・湖北省の一部で話されている。 | ||
湖南省(西北と東の一部以外)、広東省・広西チワン族自治区北部、四川省の一部で話されている。 | ||
福建省、広東省東部及び西南部、海南省、浙江省南部、台湾、シンガポール、在外華僑の間で話されている。閩南語・台湾語についての詳細はこちらを参照。 | ||
主に客家によって話されている。 |
これに晋語(北方方言に属する)、徽語(呉方言に属する)、広西平話(粤方言に属する)、の三方言を加えて「十大方言」とする場合もあります。
日本語やその他の言語で指すところの方言(dialect)とは異なり、中国語の「方言」は地方語であり、発音や語彙が異なるだけではなく、方言によっては文法構造も違うことがあります。人はこれを評して「(近縁関係にある)ドイツ語とオランダ語の関係以上に違いが大きい」と言っています。
中国で方言のひどい地域のひとつに江南地帯があります。揚子江の南岸、上海から南京までの地域で昔から「百里不同風、十里不同音(百里違えば風俗が異なり、十里違えば発音が違う)」と言われたぐらいで、江南地帯はクリーク(堀割り・川)で網の目のようにくぎられ、交通が不便で長年の間に方言の差がひどくなって固定し、隣村どうしで言葉が通じない、ということもあります。なお、普通語が徹底される以前(1950年頃)は、中国向けのNHKの対外放送の中の言語には北京語(北京方言)のほかに、広東語・閩南語があったとされています。
言語の統一化の結果、中国大陸では公用語として中国語(北京方言)が普及していますが、逆に言えば中国語がなければ異なる地方の人間同士の意思疎通ができないということになります。基本的に「方言」はそのネイティブ話者以外はまず聞き取れない・喋れないと考えて差し支えありません(たとえば、中国語も上海語も理解できる上海人は学習しない限りは広東語はできないということです)
※ただし、各方言は文章語=書き言葉がおおむね共通しているため読解することは比較的容易です。
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